人気のねこちゃん。
小学校の付近でも、人に慣れているのか、登校時のこどもの後ろを歩いていく姿をときおり見かけます。
微笑ましい光景ですが、中途半端な餌やりは住民にもねこにもよくないようです。
2年前にある団地で野猫による被害が問題になって、自治会主催の勉強会を開催しました。
直接のきっかけは、人通りの少ないある場所で夜な夜な猫に餌やりをしているらしい(見知らぬ)人がおり、
「夜に散歩するのが怖い」
「糞尿等の被害を受けている」
等の苦情が自治会に寄せられたことでした。
その時に専門家から学んだことを紹介します。
猫の基礎知識
- 猫の行動半径は雄=半径3km、雌=半径100~200m
- 寿命は野良猫は5 年程度、屋内飼育は10~15年程度であり、屋外は猫にとっても過酷
- 生後半年で妊娠可能となり、放置すると1年に2回数匹(4 匹くらい)を出産する → またたく間に増える
- 野猫(野良猫)の苦情でもっとも多いのは「花壇を荒らされた」というもの
- 糞尿も決まった場所でする傾向があるうえ、糞が固く残ってしまう(犬と違う点)
- ゴミ箱荒らしもあるが、案外と他の動物の場合もある(ハクビシン、タヌキ、アライグマ、イタチ・・・)
- 成長した猫は3歳児くらいの知能があり、「ここが不快」「ここが快適」は覚える
- (受け身の)対策として最も有効なのは、超音波発生器(※)
根本対策は、捕獲・不妊去勢・戻す
- 根本対策としてはTNR が有効:捕獲(Trap),不妊去勢(Neuter),元の場所に戻す(Return)
- 地域での解決法のひとつとして「地域猫」という考えがあり、多くの自治体も推奨
- これは上記のTNR を地域で行い、これ以上野良猫を増やさない方法として有効
- 捕獲した猫の一部は「里親」として引き取ってもらう
- 地域に戻した猫にはきちんと餌やりをして寿命をまっとうさせる(きちんと餌やりをすればゴミ箱荒らしはなくなる)
- また猫用のトイレを数カ所に設け、決まった場所で排泄させる
当面の対応は?
- 何より重要なことは多くの住民に関心を持ってもらうこと
- そして「野猫への餌やりはやめましょう」と訴えること(餌をやるならTNR を!)
- あまり多頭が繁殖していない今なら、上記の対応で何とかなるのでは・・・・
- 自治体で様々な支援があるので利用するとよい
その他留意事項など
- 飼っていた猫を放してしまってそれに餌やりをしている可能性もある
- (餌やりしている見知らぬ人に対して)対応は一人では危険だが、警備会社や警察、地域の自主パトロールと連携して、迷惑であることをきちんと伝えたほうがよい
(※)超音波発生器は、福岡市の動物愛護管理センターで無料貸出しあり(ただし期間は2 週間)。購入は1万円前後。
なお動物愛護管理センターによると、福岡市内では1年間に約7、000頭もの猫の死体が路上で回収されているそうです。
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